【感動する話】どうしても見せたい花嫁姿

私は小さなころからおばあちゃんが大好きなお婆ちゃん子でした。

父も母も毎日仕事で家にいなかったということもあり、私の世話は毎日お婆ちゃんがしてくれていました。

学校から帰るとお婆ちゃんと毎日色々なお話をしたり一緒に料理したり。

たまにはゲームまで一緒にして遊んでくれたんです。

そんなお婆ちゃんが私は大好きでした。

中学生から高校生にかけて反抗期を迎えた私に対してもお婆ちゃんは優しく接してくれました。

両親とはケンカばかりで気まずいことばかりだったけど…

お婆ちゃんと一緒にいる空間にはとても癒されましたし、怒ってくれる時も優しさを感じていました。

しかし、そんなお婆ちゃんも年齢を重ね、大学生のころには入退院を繰り返すようになっていたんです。

できるだけお見舞いに行っては学校の話や友達の話、就職のことまで色々な話をしました。

そんなお婆ちゃんは死ぬ前に私の花嫁姿を見るのが最後の夢と教えてくれました。

大学を卒業して就職をしてしばらくお婆ちゃんとは会えなくなったのですが、26歳の時に付き合っている彼と結婚することが決まりました。

お婆ちゃんを驚かそうと思って、お見舞いの時に彼を一緒に連れて行ったら、お婆ちゃんは目に涙を浮かべながら『おめでとう』と言ってくれました。

数か月後、結婚式を挙げることになったのですが、お婆ちゃんは退院も厳しい状況でした。

お婆ちゃんの夢を叶えたいと思っていたのですが…諦める以外方法がありませんでした。

結婚式当日はお婆ちゃんのために写真や動画をたくさん撮ってもらい後で見せに行こうと思っていたのですが、やっぱり直接見てもらいたいという気持ちが頭から離れませんでした。

そして…

結婚式も終盤に差し掛かり両親への手紙を読む時間になりました。

そしたら…

いきなり会場の電気が消えたんです。

びっくりして明るくなったスクリーンを見ると…

そこには病院で寝ているはずのお婆ちゃんがいたんです。

私はパニックになりましたが、司会の方が説明してくれました。

『本日は、ずっと花嫁姿を見たいとおっしゃっていたお婆様のサプライズプレゼントがあります!』

私はすでに号泣…

私の大好きなお婆ちゃんは

『花嫁姿が見れて本当に幸せだよ。人生で最高の瞬間に何かしてあげられないかと思って家族に相談したらこれしかないと思ったの。結婚おめでとう。』

私は泣きながらも

『ありがとう』

と伝え最後に笑顔で手を振りました。

私の人生で本当に最高の瞬間でした。

 

数週間後、お婆ちゃんは安らかに眠りましたが、最後の姿はなぜか笑顔に見え幸せそうでした。

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